NovelJam1日目の3~その時、舵は切られたのだ~

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続々・NovelJam1日目

 書き上げたプロットは、澁野さんの納得を得たようだった。

飴乃ちはれさんプロット - 澁野義一.txt

澁「面白いです、女性の自立の話なんですね」

私「ジェンダー論をやっていたので、これなら書けるかと思って」

澁「……やー、でもなー。うーん……」

私「だ、だめです?」

澁「元号って美少女にするの難しそうなんだよなー!」

私(そこかよさすが某出版社だな?!)

澁「まず、平成が課題を抱えているから、彼女から会いに行く形の方がいいと思うんですよね。明治が最後に(ネタバレ)になるのはいいと思います。昭和と大正は絶対仲悪いですね、色々ありましたし。昭和は平成に絡んでくるめんどくさい系おばちゃんかも――」

私(作者よりキャラに詳しい)

澁「見た目年齢は、平成が30年で昭和が64年、大正が15年、明治が――45年? くっ、大正はロリにできても他が無理だ……!」

私(美女じゃダメなんだなあ)

 そんな話をしていたのが22時前。ひとまずこのプロットを提出し、後でネットを通じて打ち合わせすることになった。

 雨の中を宿舎に戻り、荷物のぶちまけと入浴をすませて、いざFacebookで打ち合わせ。

澁「平成が明治に相談に行く流れに、説得力のある設定がほしいですね。共通点とか」

私「うーん、世界が動いているのに日本だけ閉じこもっている感じとか、個人の活躍に焦点が当たるようになったこととか……?」

澁「その辺りは時代の認識というか、難しい問題が絡んでくるんですよね……」

 もともと時事に弱い私が混乱してきてしまったため、クールダウンとして雑談をするうちに、私の得意な書き方についての話になった。

 評判が良かったものや、気負わず書けたものを出してほしい、と言われたので、以下の作品のリンクを貼る。

【100日100話】025 ひとりぼっちのきいろいピエタ | 白飴黒飴
そのくにでは、ウサギのからだは白く、みみは紅いものでした。 からだがいかにかたく引きしまり、みみがいかにつややかで、ピンとさきまで鋭いか、それがウサギたちの美しさであり自慢なのでした。――これはそんなくにでうまれた、きいろいみみのウサギのおはなし。
【100日100話】024 刀になりたかったサンマの話
サンマは刀になりたかった。 誰より白銀に輝くという、刀というものになりたかった。 サンマは魚である。刀になる術など知らぬ。 それでもサンマは刀に変ずる願望をあきらめることはなかった。
【100日100話】065 3日おきに潰れる食堂の話
火事でも地震でもありません。常連がいないわけでも、味が悪いわけでもなく、ただ唐突に潰れているのです。3日おきに復活しては潰れる、その食堂の正体は?
【100日100話】004 だってみんなそう言ったじゃないですか
人類の最大公約希望を求め、あらゆる過去の情報を集積し計算した人工知能。しかしその結論は、人類全ての自死だった――あなたのそのひと言、本当に大丈夫?

澁「思ったんですけど」

私「はい」

澁「飴乃先生は寓話的なものが相性いいと思うんで、いっそ思い切り寓話にふって、たとえば4人の女神の話にしてもいいですよね」

 ――その時、歴史が動いた。

澁「プロットを読んでいて感じたんですが、これって明確なメッセージはあっても、具体的なイメージに落とし込むところがうまくハマってないんですよね。でも逆に言えば、そもそも寓話を前提にしてしまえば、こちらのイメージを落とし込むハードルは下がります」

私「あー……そうですね、女神ならいける気がしてきました」

澁「たとえば女神が延々喧嘩をしてるとか」

私「『次』が平成と一緒に先輩女神を巡るとか」

澁「盛り込む内容はプロットのままでもいいと思うんです、どう表現するかなので。あと個人的に、悩める平成ちゃんが先輩である姉の話を聞きにいく、というのはとてもいいと思ったんで、そこは生かしたいですね」

 という辺りで日付が変わりそうになったので、ひとまず明日ちょっと書いてから判断しよう、ということに決まった。

 本当は日付が変わる前に寝ないと、ドクターに注意され障害支援の人にたしなめられるのだが、その辺りは秘密である。

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次回、難航する原稿執筆、サポートする編集者と頼りまくる著者、そしていよいよ作品の姿が明らかに――? お楽しみに。

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時代を司り、歴史を紡いできた女神たち。

ところが、次の時代の幕開けを告げる新しい女神の現出を、素直に喜べない事情があって…!?

元号を大胆に擬人化して描く、エスプリたっぷりの現代の寓話。 

NovelJam2018にて2泊3日で書き上げた物語です。

たそかれ時の女神たち』 飴乃ちはれ(著) 澁野義一(編) 嶋田佳奈子(デザイン)著

Kindle版はこちら。

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