【100日100話】038 週末お疲れさまでした。

   

本搾りにワインに雨後の月。
フライにチーズにオーブン焼き。
翌朝のパンも買い込んで、エコバックと鞄に詰め直す。

どこに出かけるわけでもない。6畳ひと間の自分の城に荷を置けば、あとは月曜まで予定はからっぽだ。

本当は掃除もある。洗濯もある。入浴もしないとならないし、食器だってシンクで山だ。生活の雑事は日々起こり、溜まり、先送られる――残業がどれほど続こうとも。

だがしかし、だ。

「布団よ、私は帰ってきた!」

西日の射すおかげでぎりぎり腐ることをまぬがれている万年布団に頭から突っこむ。
衛生観念などとうに投げ捨てられたこの部屋では、着の身着のまま布団を巻き付け、ごろごろもふもふと転がるくらい造作もない。
エコバックを引き寄せて中身を並べ、寝転んだまま本搾りの缶をプシュと開けた。

快哉と雄叫びの混ざる声が上がる。

こうなれば、日焼け止めを落とすことなどもはや些事だ。
買い込んだ総菜を次々に開け、プラコップにワインが注がれる。
たまに水を飲みに立つ以外、もはや布団より動く理由はない。

頑丈さだけは確かな6畳ひと間の、それなりにふかふかな布団に包まれ、饗宴は日付を越えてなお、ゆるゆると続いていくのだった。

今日のお題は「みの虫」です。
このところ調子が悪いので欲望のままに書きました。