【100日100話】035 別に可愛がってるわけではないからね

   

今日のお題は「なでしこ」です。

別に可愛がってるわけではないからね

「プログラミング言語のことか」
「わざとマイナーなとこついてます?」
花ですよ、花の撫子。そう続けると、上司であり協力者である大学教授はふむと頷いた。
「最近は白なら才能、赤なら野心って花言葉もあるそうですし。期待の才媛にはちょうどいいかと思いますけど」
「目を光らせながら言うのでなければ決まっていたんだがね。調べるか片づけるかどちらかにしたまえ、君」
言い返そうとした言葉は、紙束に指を挟んだせいで遮られる。ほら見ろ、と言わんばかりの視線が悔しい。
「コンタクト端末は外界認識に難があると、体を張って教えてくれたのは君だろう」
「嫌と言うほど知ってますけど! ひとつずつやってたら終わんないほど先生が散らかすんじゃないですか……」
「全部日付とタグはつけている」
「リアルとクラウドを一緒にせんでください」
「――撫子はだめだよ。花なら他のにしてくれ」
物体は仮想化じゃ片づきません、という台詞はすっぱり切り捨てられた。むしろ提案ごと切られたと言うべきか。
続けられた理由は論理的確かさよりも先生らしいという私の偏見で採用され、片づけながらああでもないこうでもないと花の種類を言い合うことになったのだった。
――それにしても、先生はいつ知ったのだろう。撫子の名前の由来が『撫でる子のように愛らしい花』だなんて。

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情報系の教授ならペーパーレスなんじゃないかって思うよね。私も思った←
ウェアラブルとか端末越しに見える世界とかに浪漫を感じるこの頃です。眼球運動でメッセ送れる端末とか近未来にはあると思うんだ。
……二次元嫁召喚装置として活躍してそうな気もするけど←

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